磐越自動車道で21人が死傷したバス事故から6日で1か月です。
事故を起こしたのが部活動の遠征に向かっていたバスということもあり、県内の高校では安全管理への意識が高まっています。
痛ましい事故が起きたのは5月6日。
郡山市の磐越道で部活動の遠征で富岡町に向かっていたマイクロバスがガードレールなどに衝突。
新潟県北越高校の男子ソフトテニス部に所属する稲垣尋斗さん(17)が死亡。
ほかにも生徒など20人が重軽傷を負いました。
この事故で逮捕されたのはバスを運転していた新潟県の無職・若山哲夫容疑者(68)
これまでの捜査で若山容疑者は「体調と運転技術に不安はなかった」などと供述していますが、4月から少なくとも5回事故を起こしていて、新潟県警から免許返納を促されていたといいます。
福島地検は若山容疑者の刑事責任能力を見極めるため5月22日から鑑定留置を始めています。
一方、バスと運転手を手配した責任の所在はいまも不明のままです。
今回の事故でバスと運転手を手配した蒲原鉄道は「高校からの要望で費用が安いレンタカーと運転手を手配、若山容疑者の免許を確認していなかった」と説明。
一方で、高校はレンタカーや運転手を依頼したことはなく「貸し切りバスを依頼した、白ナンバーだったことは確認できなかった」と主張。
両者の主張が大きく食い違っているほか、ずさんな安全管理が浮き彫りとなっています。
県内の高校ではどのように部活遠征の安全管理をしているのか。
郡山市の日本大学東北高校です。
■日大東北高校 佐々木 稔 校長
「本校も野球、バスケット、陸上、文化部も合唱部が全国レベルの活動をしている、外への遠征は非常に多いので、(磐越道の事故を)大変重く受け止めている」
全国大会常連の部活動が数多くある、県内有数のスポーツ強豪校です。
週末には大会や練習で県内外に出かけ、バスを使う遠征は毎年、数百回に上るといいます。
■バスを紹介する佐々木校長
「このバスは日本大学工学部と共用で使用している2台のうちの1号車。どうしても試合日がぶつかったり、遠征の日が重なる時は貸切バスをお願いしている」
高校では大学と共用の大型バス2台を遠征に使っているほか、足りない場合は緑ナンバーの貸切バスを利用しています。
運転については、 保護者や教員がハンドルを握ることはなく、観光バス会社の運転手を依頼しているといいます。
■日大東北高校 佐々木校長
「プロのドライバーに送迎をお願いしてるので、不慣れな人が運転しないようにしている」
そして、バスを安全に運行するため…
■日大東北高校 佐々木校長
「どこのどんな大会にいくのか、どういう手段でいくのか、全員の名簿、運行計画書、どこのバス会社と契約したのか、生徒一人一人の保護者同意の元の参加届、これを必ずとるようにしている」
バスを使い遠征する際は行き先や参加生徒の名簿、バスの見積書などの提出を徹底。
教頭や校長が確認した上、一元に管理しています。
これに加え、今回の事故を受けてバス会社が作成した行程表に無理な点がないかなど学校側でもダブルチェックするようにしました。
■日大東北高校 佐々木校長
「しっかりした運行計画、時間、休憩。今まで以上に確実にチェックするようにしている」
ただ、安全を確保する上で、課題となるのが費用です。
■日大東北高校 佐々木校長
「貸切バスで行くと、費用は1回県内でも約15万円かかるので、保護者の負担が大きくのしかかるのが非常に問題だと思う。一部は後援会から補助をもらう場合もあるけど、限界があるので、悩んでいる」
今回の事故を受けて、国は校外活動で移動する際の安全確保について話し合う連絡会議を開いていて。安全面と費用面のバランスがとれた対策が求められています。
■日大東北高校 佐々木校長
「福島県の場合、都内のように公共交通機関が発達していないので大勢で移動する時はバスが必要になる。法令を遵守するのは当然なことだけど、地域の実情に即した適正なルールづくりをして欲しい。場合によっては補助金などの施策を考えてもらえるとありがたい」