半世紀以上の歴史を誇るNHK大河ドラマは、常に時代を映す鏡として話題を集めてきた。しかし、その舞台裏では数々のアクシデントやトラブルに見舞われ、本編以上に波乱万丈な現実を背負っている作品も少なくない。今回は、そんな大河の長い歴史の中でも「不運」と語り継がれる作品を5つセレクトして紹介する。第4回。(文・編集部)
作:三谷幸喜
キャスト:堺雅人、大泉洋、長澤まさみ、木村佳乃、黒木華
大河ドラマ『真田丸』は、2016年に放送され、戦国時代の真田幸村を中心に描いた作品である。三谷幸喜の巧みな脚本と、主演の堺雅人をはじめとするキャストの演技が高く評価され、放送中は2桁台の視聴率をキープし続けるなど、粘り強い戦いをみせた。
しかし、放送後に出演者の不祥事が発覚したことで、作品は大きな打撃を受けることになる。
2019年、出演者の新井浩文が強制性交罪で逮捕されたことを受け、当時、『真田丸』の配信は停止を余儀なくされたのだ。新井は本作で重要な役柄である加藤清正を演じていた。この事件は、ドラマのイメージに少なからぬ悪影響を及ぼすことになった。
実は、三谷幸喜氏が手掛けた大河ドラマでは、他にも出演者の逮捕によって作品の再放送や配信が制限される例がある。2004年に放送された『新選組!』では、中村雅俊の長男が2009年に大麻所持で逮捕され、再放送や配信が見送られた。また、2022年放送の『鎌倉殿の13人』では、四代目市川猿之助が母親の自殺幇助で逮捕され、同様に再放送や配信が制限される結果となった。
それでも、放送当時の『真田丸』は脚本や演技、演出の完成度が高く、堺雅人の真田幸村役は視聴者から絶賛された。視聴率も最高20%を記録し、戦国ドラマとしての面白さとキャラクター描写の巧みさを示した作品である。
出演者の不祥事により再放送や配信が制限されるなど、度重なる不運に見舞われた三谷幸喜の大河ドラマ。しかし、その逆境の中でも、脚本の妙やキャストの熱演、スタッフの努力によって生み出された作品の価値は決して色褪せない。三谷作品ならではの魅力を象徴しているといえるだろう。