衝突20~30メートル前で路側帯に 磐越道マイクロバス事故、複数生徒「危険な運転」

福島県郡山市熱海町の磐越道上り線でマイクロバスがガードレールに衝突するなどし、北越高(新潟市)の男子生徒1人が死亡、17人が重軽傷を負った事故で、バスは衝突地点の20~30メートル手前で外側線をはみ出し、路側帯に出たとみられることが11日、捜査関係者への取材で分かった。福島県警はバスを運転していた新潟県胎内市、無職の男(68)=自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いで逮捕=が数カ月前から複数回事故を繰り返していたことから、安全に運転できる状態にあったか、慎重に調べている。

 また、バスに乗っていた複数の生徒が県警の聞き取りに対し「事故前から危険な運転だった」と証言していることも捜査関係者への取材で判明した。現場は緩やかな右カーブで、男は道路脇のクッションドラム(緩衝設備)に衝突、ガードレールをはぎ取るように走行したという。
マイクロバス事故の発生現場にあった荷物から、「手当」などの文言や運転していた男と同じ名字が記された3万3000円入りの封筒が見つかり、県警が学校側から任意で提出を受けたことが11日、分かった。運行会社「蒲原(かんばら)鉄道」(新潟県五泉市)が運転手に渡していた可能性があり、県警は金額の内訳や趣旨を調べる。

 県警によると、バスは事業用ではない「白ナンバー」のレンタカー。男は旅客運送を目的とする車の運転に必要な「2種免許」を所持しておらず、報酬に該当すれば「白バス」行為として道路運送法違反の疑いもある。

 蒲原鉄道は6日の記者会見で、男との金銭の取り決めは「実費のみだった」と説明。県警は8日の同社への家宅捜索で、北越高や男との契約に関する書類を押収しており、分析を進めている。

 北越高によると、6日の事故後に、男子ソフトテニス部顧問の寺尾宏治教諭が事故現場の荷物を回収して学校に戻った後、持ち主不明のボストンバッグから「手当」「ガソリン」などと書かれた封筒が見つかった。宛名として男の名字も記載され、3万3000円が入っていた。

 学校側は10日、2回目の記者会見を開き、蒲原鉄道から3万3000円という金額の提示や請求はされていないと説明した。

 一方、寺尾教諭は会見で、過去にバス手配した際の蒲原鉄道からの請求書には「貸し切りバス」と「レンタカー代、人件費」の2種類の記載があり、当時は項目を確認していなかったと述べた。ただ今回はバスの依頼時に「レンタカーを手配してほしいとか、運転手の紹介を依頼したことはない」としている。

 また、6日早朝に学校で部員20人と集合した後、バスに乗った部員とは別に自分の車で出発。富岡町での練習試合に向かったという。7日の会見で灰野正宏校長はバスを先導したと説明したが、実際には別々に走っていた。
国土交通省によると、同校を借受人、蒲原鉄道の営業担当を運転者としたレンタカー契約が直近の1年で約10件あったという。

 国交省は営業担当以外の人物を運転者としてバスやワゴンを借りた契約も約20件あったと確認。同校は部活動の遠征などで、レンタカーを多数回利用していた可能性がある。

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