SNS上を中心に、「大阪府内の複数の公園に毒餌が撒かれ、亡くなる事件が相次いでいる」という情報が拡散されている。2026年2月頃に拡散が始まったとみられる一連の投稿では、大阪市や堺市など4市12か所の公園が名指しされており、愛犬家の間に不安が広がっている。【イラスト解説】動物愛護法ってなに?はたして、これらSNSの情報はどこまで確かなものなのか。公園を管轄する自治体担当者に取材を実施。あわせて、毒餌を置いた人物がどのような法的責任を問われるかを、動物関連の法律に詳しい弁護士に聞いた。(ライター・油井やすこ)
まず、SNSで名前が挙がっていた公園を管轄する自治体担当者や公園管理事務所に取材を試みたところ、ほとんどの自治体がSNS上での毒餌情報の拡散について把握していた。いずれも「SNSを見た」という職員や市民からの連絡・通報によるものだという。
しかし、ネット上の騒ぎとは裏腹に、現時点ではいずれの公園でも「毒餌による被害は確認されていない」とのことである。
ある自治体では、市民からの通報を受けて急きょ現地確認に出向いたが、話を聞くと「SNSを見て連絡した」という二次情報にとどまり、現場で不審物や実際の被害を確認するには至らなかったという。
ほかにも、「公園利用者への聞き取りを実施したが、不審な餌を見たという話は出なかった」と話す担当者もおり、対応に苦慮しているケースもあった。
大阪府堺市にある「海とのふれあい広場」を管理する堺市・都心未来創造課には、広場をよく利用していた秋田犬が亡くなったとの情報が寄せられていた。しかし、これについても、そもそも毒餌が置かれていた事実の有無さえ確認されていないという。
「事案の発生場所が広場内なのか、亡くなった原因が何なのか、不審な置き餌が実際にあったのか、亡くなった犬と置き餌に因果関係があるのか、といった点については現在も明らかになっていません」(堺市・都心未来創造課)
堺市では予防的措置として広場内に注意喚起の張り紙を掲示し、市ホームページでも同内容について掲載している。また、警備員の巡回時にも不審物への注意強化を心がけているという。
対応策については、ある自治体からは「日常の警備や巡回の中で不審物への警戒に努めている」と回答があった一方、「被害の事実がない以上、むやみに利用者を不安に陥れるような対応はできない」と慎重な姿勢を示す自治体もあった。