「リバー・フェニックスの再来」と呼ばれた美少年の心の叫びは、誰にも届かなかった
90年代を代表する天才子役でありながら、25歳という若さでこの世を去ったブラッド・レンフロ。華やかなスクリーンでの活躍とは裏腹に、幼少期から過酷な環境に置かれていた彼の、光と影が交錯した短き人生を深掘りしていきます。【写真】「天才子役」「美少年」と呼ばれた悲劇のスター、ブラッド・レンフロ
1982年7月25日、アメリカのテネシー州に生まれたブラッド・レンフロ。ノックスビルという、決して裕福とは言えない地域で幼少期を過ごしました。父が麻薬におぼれ、貧しい生活を送る中、5歳の時に両親が離婚。母親はブラッドを置いて去り、彼がスターになってもほとんど接触してこなかったのだそう。
父親も息子を育てる能力がなく、ブラッドは祖母のジョーン・レンフロに引き取られ、トレーラーハウスや公営住宅を転々としながら育つことに。彼にとっての日常は、ドラッグや暴力、差別が蔓延している環境であり、幼い頃から生き抜くための世渡りの知恵を身につけざるを得ない過酷な子供時代でした。
そんな荒んだ環境で成長したブラッドは、学生ながら学校や地元で問題行動を起こし、警察にマークされる存在に。しかし、この警察との関わりが、のちのブラッドの人生を大きく変えることになるのです。
学校で行われていた薬物乱用防止教育(D.A.R.E.プログラム)の、ドラッグ禁止キャンペーンのCMにブラッドが売人役として出演したところ、それを見ていた警察官の一人が、彼の表現者としての早熟な才能を絶賛。演技の道を勧められ、映画『依頼人』のオーディションに参加すると、なんと5,000人以上の候補者がいた中でブラッドが役を勝ち取ることに!
オーディションでの彼は、他の子役候補のように大人に媚びることなく、どこか冷めた反抗的な態度を見せ、それが劇中の主人公そのものだったと評されています。しかし、このハリウッドという眩しすぎる光の道が、彼自身の魂を削り取る「終わりの始まり」になってしまうのです。