かつては高級車のオプション装備のひとつだったシートベルトは、今や命を守るための欠かせない装置です。毎日当たり前のように装着しているからこそ、正しい知識と正しい着け方を改めて確認しておきたいもの。今回は、妊娠中の方への対応も含め、様々なシチュエーションでのシートベルトの使い方を整理します。【画像ギャラリー】ちゃんと付けてるつもりが逆効果!? 意外な落とし穴も?? シートベルトの安全な使い方解説(8枚)文:佐々木 亘/画像:Adobe Stock(メイン画像=buritora)
シートベルトは、ただ体に巻き付ければいいというものではありません。着け方が誤っていると、事故の際にかえって大きなけがを引き起こす危険があります。正しく装着することで交通事故の被害を大幅に軽減できる、それがシートベルト本来の力です。
まず押さえておきたい基本ポイントは以下の5点です。
・シートに深く腰掛け、体を斜めにせず前方を見通せる姿勢をとる
・肩ベルトが首にかからないようにし、たるみが出ないよう密着させる
・ベルトにねじれがないことを確認する
・腰ベルトはお腹ではなく骨盤に巻き、しっかりと締める
・バックルの金具を確実に差し込む
これらをすべて守ることで、シートベルトは初めてしっかりと機能します。特に気をつけたいのは、肩ベルトが首にかかっている状態や、ベルトを緩く巻いている状態です。どちらも衝突時に思わぬけがを引き起こす原因となります。
また、体格によっては肩ベルトの高さが合わないこともあるため、シートベルトアジャスターを活用して自分に合った環境を整えることも大切です。
「お腹が大きくなってきたら、シートベルトはしないほうがいいのでは?」と思っている妊婦さんがいるかもしれません。しかし、基本的には妊娠中もシートベルトを着用することが推奨されています。
体重50kgの人が後席に乗っていて時速40kmで衝突した場合、乗員にかかる衝撃は体重の約30倍、つまり1.5トンにもなるといわれています。こうした想像を絶する衝撃が母体と胎児に直接加わることを防ぐためにも、妊娠中のシートベルト着用は非常に重要です。
着用方法の基本は一般の乗員と大きく変わりませんが、ベルトの通し方には細心の注意が必要です。まずシートの背をあまり倒しすぎず、深く腰掛けた姿勢をとります。
腰ベルトのみの2点式シートベルトは避け、肩ベルトと腰ベルトがある3点式を選びましょう。2点式の場合、衝突時に上体が前屈して腹部が圧迫される危険があるためです。
肩ベルトは肩から胸の間を通し、腹部を横切らないよう体の側面に沿わせます。腰ベルトは子宮のふくらみを避け、腰骨のできるだけ低い位置でしっかりと締めるのが基本の着け方です。
ただし、妊娠の状態は人によって大きく異なります。シートベルトの着用が健康保持上適切かどうかは、必ず医師に相談するようにしてください。