実に、7回目の逮捕となった。警視庁新宿署は3月30日、20代の女性患者に性的暴行を加えたとして、不同意性交の疑いで、歌舞伎町の「東京クリニック」の精神科医・伊沢純容疑者(55)を逮捕した。【画像】逮捕7回目の伊沢純容疑者(55)。黒いサングラスから虚な目が覗く。ボサついたグレーヘアが荒々しい「事件は昨年8月に起きた。かかりつけの病院が休みで、たまたまネットを見て来た初診の患者だった。伊沢は睡眠薬の処方箋を出したあと、薬局に受け取りに行く女性に同行。さらに『まだ診察が残っている』とクリニックに連れ戻し、犯行に及んだようだ」(社会部記者)
他にスタッフはおらず、入り口の鍵を閉めて逃げられないようにしていた。女性はショックを受け、交際相手に相談した上で、その日のうちに署に駆け込んだ。
「歌舞伎町界隈では有名な医師だったので、またこいつかと……。密室での出来事で否認も想定されたため、半年あまりかけて慎重に裏付け捜査を進めた。他にも同様の被害者がいる可能性があり、余罪についても調べている」(警視庁関係者)
これまで伊沢の名は、幾度となく報じられてきた。
古くは2007年に遡る。依存性の高い向精神薬「リタリン」の若者による乱用が社会問題になっていたが、診察を碌にせず、大量に処方していたのがこのクリニックだ。
「希望通り、処方してくれる便利な薬局」とまで言われ、連日300人もの患者が押しかける事態に。都や保健所が立ち入り検査すると、医師資格がないスタッフに処方箋を書かせていたことが判明。医師法違反で罰金刑となった。
「都内に複数の不動産を持ち、病院のブログにセレブな生活を綴り、ブランド品を自慢げに載せていたこともあった」(前出・記者)
伊沢は覚醒剤所持や女性患者への暴行などの容疑で逮捕され、23年には懲役2年4カ月の実刑判決を受け、遂に服役。だが……。
「昨年出所すると、自身が所有する歌舞伎町のビルの一室でクリニックを再開し、業界で話題になっていた。予約不要で夜間や土日も受診できるので、若い女性を中心に患者は来ていたようだ」(都内の医療関係者)
問題はなぜ、伊沢のような“モンスター医師”が、逮捕されてもなお開業できるのかということだ。
事件を起こした医師は、厚労省の医道審議会で処分が決まる。だが、本人の弁明などを含め、手続きには時間がかかり、決定までに数年〜5年以上ということもザラだ。
伊沢もこれまでに少なくとも「医業停止」を2回受けているが、実刑となった前回の事件については、まだ医道審議会の処分が出る前。「事実上、野放し状態だった」(同前)。
取り調べに対して、黙秘を貫いているという伊沢。クリニックのHPにある「患者さんが安心して受診できる場所を目指しています」との記述が虚しく響く。