名古屋市西区のアパートで1999年11月、住人の高羽奈美子さん(当時32歳)が刺殺された事件で、高羽さんの夫の悟さん(69)が30日、殺人罪で起訴された安福久美子被告(69)を相手取り、慰謝料などの損害賠償を求める訴えを名古屋地裁に起こしたことを明らかにした。
請求総額は明らかにされなかったが、慰謝料のほか、悟さんが現場保存のために借り続けたアパートの賃料なども盛り込まれた。原告には長男の航平さん(28)も加わった。
民法では、不法行為から20年で損害賠償の請求権がなくなると規定されているが、悟さんは、安福被告が事件への関与を隠していたため、加害者が分からず請求先が不明だったとして、規定の適用外を求めていく。
この日、記者会見した悟さんは、容疑者の逮捕まで長期間を要した事件の被害者が、20年の制限を受けることの是非を問いたいとした上で、「20年で門前払いでは、著しく社会正義に反する。懸命に犯人を探している遺族が希望を持てる道筋をつけたい」と話した。
起訴状では、安福被告は99年11月13日、アパートの一室で高羽さんを刃物のようなもので複数回刺して殺害したとされる。事件から約26年たった昨年10月に殺人容疑で逮捕され、今月5日に起訴された。