東京・池袋で女性が元交際相手の男に刺殺された事件では、女性が男からのストーカー行為を警察に相談していたことが分かっています。なぜ、事件を防ぐことができなかったのか。そこに現状のストーカー対策の課題が見えています。
東京・池袋のポケモンセンターで、店員の春川萌衣さんが刃物で刺され、殺害された事件。刺したとみられるのは元交際相手の広川大起容疑者で、広川容疑者も自身の首を刺し、死亡しました。
春川さんは去年、交際解消後に広川容疑者からストーカー行為を受けているとして、警察に相談していました。
ストーカー規制法違反の疑いで逮捕された広川容疑者は、当時の調べに対し。
『復縁したかった』
こう話したといいます。
事件の背景にあるとみられる、元交際相手への強い執着。
福岡では3年前、JR博多駅前で、女性がストーカー化した元交際相手の男に包丁で刺され、死亡する殺人事件がありました。
事件前、女性は警察にストーカー被害を訴え、警察は男に対し、ストーカー規制法に基づく禁止命令を出していましたが、被害を防ぐことはできませんでした。
福岡県警によりますと、県内のストーカーに関する相談件数は、これまで年間1300件から1500件の間で推移していましたが、去年は1546件に増加しています。
去年12月には改正ストーカー規制法が成立するなど、国も対策に乗り出していますが、ストーカー行為が凶悪な事件に発展するケースが後を絶ちません。
背景の一つに、加害者の治療が進まない現状があります。
福岡県警では、ストーカー規制法違反で検挙された加害者に対してカウンセリングを促していて、公費を使い、3回まで無料で受けられるようにしています。また、治療が必要な人には医療機関も紹介しています。
ただ、加害者自身が「ストーカーである」ことを認めないことが多く、また、カウンセリングや受診が強制ではないことから、応じない場合も多いということです。
去年、福岡県警がカウンセリングを促した244人のうち、実際に受けた人はわずか40人にとどまりました。
池袋の事件でも、警視庁は広川容疑者にカウンセリングを受けるよう働きかけていましたが、広川容疑者が拒否し、治療にはつながらないまま事件が起きたとみられます。
改めて課題が浮き彫りになったストーカー対策。
福岡県警は、加害者がカウンセリングを受けるよう説得に努めるとともに、被害者に対しては「安全確保を最優先するため、早めの相談をしてほしい」としています。