池袋ストーカー刺殺事件の深層 「タイプ別」で見極める凶行の予兆と、現状の警察対応が抱える限界

東京・池袋のサンシャインシティ内のポケモンセンターで、女性店員が元交際相手の男に刺され死亡し、男もその場で自らの首を切って死亡するという痛ましい事件が起きた。

 現場は、買い物客等でごった返す商業施設であり、特にポケモンセンターは国内外から多数の客を集める人気施設で、常に長蛇の列をなしているほどだ。そのなかで起きた惨劇に社会は震撼し、当のポケモンセンターは従業員の保護などを理由に当面の休業を決めている。
報道によれば、2人は過去に交際関係にあったが、関係が破綻。その後、つきまといなどの被害を受けた女性は、昨年12月警察に相談し、男はストーカー規制法違反容疑で逮捕された経緯もあったという。

 現時点ではまだ断片的な事実しかわからないが、別れを受け入れられない執着や支配欲が、拒絶を契機に凶行へと転化した可能性があり、交際後のストーカー事案の危険性を改めて示す事件として重く受け止める必要がある。

■交際破綻後のストーカー
交際関係の破綻後にストーカー行動へと移行した場合、それは「拒絶型」ストーカーと分類される。元交際相手や配偶者から、関係を絶たれたことを受け入れることができず、復縁や報復を目的としてつきまといなどをするタイプである。

 このようなストーキング行為の背景にある心理は、単なる「未練」では説明できない複合的な心理過程を含んでいる。まず重要なのは、関係解消が自己概念への重大な脅威となっている点である。特に相手との関係を自己価値の中核としていた個人にとって、拒絶は自己否定と同義となり、強い心理的苦痛を生む。
通常であれば、恋愛が破綻したとしても、仕事や友人、家族との関係、趣味の活動など、自己価値を見出す場所はほかにもある。あるいは、次の恋愛に希望をつなぐということもあるだろう。

 しかし、自我が極めて未熟で、「この関係が自分のすべて」と思い込んでいたような場合、関係の破綻と拒絶に対して、敵意を抱いたり、攻撃的反応を示したりする。さらには、「相手はまだ自分に関心がある」「誤解があるだけだ」といったゆがんだ信念を持ち続けることもある。

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