「ミルクの大量注入」で7人の赤ちゃんを殺害、「推しの殺人鬼」にファンレターを送る女性…Netflixで今観るべき“やばい犯罪者”ドキュメンタリー5選〈ネトフリ解約の前に…〉

良質な犯罪ドキュメンタリーを一本生み出すことは、際限なく時間と精神を削り続ける、出口の見えない泥仕事だ。凄絶な現実を、いかにして高い純度のコンテンツへと昇華させ、我々に突きつけるか――。制作側はバランスの見極めを求められる。【写真】性暴行や殺人を繰り返したのに、女性ファンが熱狂…アメリカの「イケメンすぎる殺人鬼」を見る一方で、地上波から毒が消えた現代では、もっと生々しく、もっと残酷な「本物の人間」を求める声が高まっている。この需要と供給のアンバランスを、圧倒的な資本力と執念で埋めているのが今のNetflixである。ドキュメンタリーに目の肥えた読者すら納得させる、世界の深淵に肉薄した5作品を厳選した。
始まりは、ある男が投稿した目を覆いたくなるような動物虐待動画だった。本作の主役は、画面の向こう側で憤り、立ち上がった世界中の素人探偵たちだ。彼らはわずか数秒の映像から、部屋のコンセントの形状や窓外の景色を解析し、犯人の居場所を執念深く特定していく。その執念はもはや狂気と言ってもいい。

 だが、犯人ルカ・マグノッタはさらに注目を集めようと、より恐ろしい惨劇へとエスカレートしていく。猫から人へ。アイスピックによる殺害の模様を録画しインターネットに投稿、さらには遺体を切断し、その一部をカナダの政党本部に送りつけるという常軌を逸した凶行に及んだ。レンズ越しに世界を挑発し続けた男と、キーボードを武器に応戦した市民の「共依存」ともいえる記録は、既存メディアが立ち入れない領域まで徹底的に追っている。
マッチングアプリを舞台に、ダイヤモンド商の御曹司を装って女性たちから巨額の現金を搾取したサイモン・レヴィエフ。

 彼のヤバさは、単なる結婚詐欺の枠に収まらない。騙し取った金で豪華なプライベートジェットを乗り回し、その姿をSNSで誇示することで、次の標的に信用を植え付ける――この無限のループを構築したシステムにある。いわば、Aさんから奪った金でBさんとキャビアを食し、Bさんから奪った金でCさんと世界を飛び回る。この「恋愛版ポンジ・スキーム」とも呼ぶべき手法に、デジタル時代の虚飾が拍車をかける。

 劇中では、サイモンが女性たちを意のままに操るために恐怖心を植えつけ、クレジットカード詐欺の共犯関係に仕立てていく様子が克明に描かれる。

 サイモンの悪事はメディアによって大々的に報じられ逮捕に繋がった。しかしたったの5カ月で自由の身となる。すぐに悠々自適で贅沢な生活に戻り、今なお煌びやかな生活がSNSに投稿される一方で、被害者らは今でもローンの支払いに苦しめられている。この胸糞悪い結末を含め、この作品は我々の生きる世界の理不尽さを突きつける。

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