無職斎藤淳被告夫死亡、おの2本たたきつけられる…妻と娘も襲われ死亡 近所の男に無期懲役の判決 心神耗弱のため死刑より軽くする判断 違法性を認識していた男…遺族「罪を認めず反省すらしません」

2022年12月、埼玉県飯能市の住宅で住民の夫婦と帰省中だった長女の親子3人が殺害された事件で、殺人、非現住建造物等放火、銃刀法違反の罪に問われた、無職斎藤淳被告(43)の裁判員裁判の判決公判が16日、さいたま地裁で開かれ、井下田英樹裁判長は「心神耗弱の状態だった」とし、無期懲役を言い渡した。検察側は死刑を求刑し、刑事責任能力が最大の争点だった。父母と長女死亡…襲撃男の自宅の写真 小学生時代は活発、子ども集めサッカー 中学転校し異変、何があった
公判では被告が事件当時、精神疾患を罹患(りかん)していたことに争いはないとして、被告が犯人かどうか、犯行当時責任能力があったかどうかが争点となっていた。井下田裁判長は、被告方から被害者の血痕の付いた衣類が発見されたことなどから「犯人であることが強く推認される」と犯人性を指摘した。

 責任能力については、事前に凶器を購入していることやおのに付着した血液を拭き取るなどしていたことから、「犯行計画を考えて実行する能力を備えており、違法性を認識していた」とした。一方で、犯行に至る過程には精神疾患の影響が一定程度あり、「犯行を行わないことが不可能とは言えず、心神耗弱の状態だった」と認定し、死刑求刑から刑を減軽した。

 井下田裁判長はおのを使用して何度も攻撃を加えた犯行態様を「極めて残忍で無慈悲。確実に殺害する手段を用いた強固で執拗(しつよう)な殺意が表れている」と指摘。「思いとどまることはできたはずで、被告の意思決定は厳しく非難されるべき」とした。
被告は公判で「知らないことです」と起訴内容を否認していた。検察側は被告の責任能力に問題がないとして完全責任能力を主張。弁護側は犯人性を否定し、犯人であったとしても、精神鑑定の結果を踏まえて「精神疾患の圧倒的な影響があり、心神喪失だった」と無罪を主張していた。

 遺族は「犯人は罪を認めず反省すらしませんでした。犯人に寛大な判決で、強い憤りを感じております」とするコメントを出した。

 判決によると、被告は22年12月25日午前7時10分から25分ごろまでの間、精神疾患の影響により心神耗弱の状態で、飯能市美杉台4丁目の住宅で、米国籍の男性=当時(69)=と妻=同(68)、長女=同(32)=の頭や首などをおので複数回殴打し、殺害するなどした。

■どんな事件だった 刑事責任能力を問えると判断(以下2023年12月24日配信、起訴時の記事)

 2022年12月、飯能市の住宅敷地内で住民の夫婦と帰省中の長女の計3人が殺害された事件で、さいたま地検は2023年12月21日、殺人や非現住建造物等放火、銃刀法違反の罪で、近所の無職の男(41)=同市美杉台4丁目=をさいたま地裁に起訴した。裁判員裁判で審理される。

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