「YouTubeドリーム」という言葉は、過去のものになりつつある。【写真を見る】”ギャラ0円時代”にバズった「心霊スポット1週間生活」、”ニセ解散”でSNSを騒がせた「冤罪ドッキリ」のサムネイルの数々
現在、YouTuberをとりまく数字は残酷だ。全盛期の2021年頃なら、仮に100万回再生されたら30万円から50万円の広告収入が期待できた。しかし今、同じ100万回再生でも、エンタメ系動画なら収益が10万円を切るケースすら珍しくないという。
背景にあるのは、YouTubeプラットフォームの変化だ。数秒で消費される「ショート動画」の普及もあり、1再生あたりの価値は低下。広告主は”ただ見られるだけ”の動画に高い単価を払わなくなった。
こうした中で、一部のクリエイターたちはすでに別の戦い方にシフトしている。彼らが求めているのは、登録者100万人の「なんとなく動画を流し見する層」ではない。自分たちが作るコンテンツに対して月額会費を払い、数万円の限定商品を買い、リアルなイベントに足を運ぶ1%の”コアファン”がターゲットなのだ。
もはや、面白い動画を作るだけでは生き残れない──「だいにぐるーぷ」も早々に方針転換し従来とは違う収益構造を築き上げた。
彼らは1997年度生まれの同級生5人組からなるYouTuberだ。今年で結成9年目を迎え、登録者数は約108万人にのぼる。代表作としては「アメリカ全土で1週間鬼ごっこ」、「1週間以内に6つの無人島から脱出せよ」などが挙げられ、他のクリエイターとは一線を画した予算規模の大きいコンテンツを強みとしている。
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──グループには「大卒チーム」と「中卒チーム」があるそうですね。同級生だったみなさんの結成のきっかけは?
「もともとは中学からよく遊んでいて。高校、大学と進むにつれてバラバラになっちゃったんですけど。僕が大学に入った年の9月くらいに中卒組の土井谷や須藤とかにも声をかけて、『来年の4月からYouTubeやろう』という段取りになったんです。
簡単にいうと、みんなYouTuberのことをバカにしていたんですよ。これ多分、当時 YouTube始める人あるあるだったと思いますけど、『俺らのほうが面白くね?』『ヒカキンってつまんなくね?』みたいな(笑)。 そういう”勘違い”もありました。
あとこれは主に僕にいえることですが、年齢を重ねるたびに優秀な人にたくさん出会って自分の”何者でもない感”に絶望していたんです。だったら『なにか挑戦したい』と思って。自信あることはなにかと考えたときに、地元の友達とYouTubeで戦うのがいちばん勝てそうだなと思ったんです」
──「だいにぐるーぷ」は企画が壮大で、なかには1時間超えの動画も珍しくありません。メンバーも多いですし、経費の面でも初期の頃はかなり厳しかったのでは。
「とにかく金がなかったですね。しばらくはギャラなかったです。企画も『ディズニー行ったふり選手権』とか、つまらないものばかりでしたし(笑)。最初の1年がダメダメで、本当はやめることも考えたんです。でも編集技術とかも身についていたし、『もったいないよね』となって。方針変えて次の年にやった『心霊スポット1週間生活』がバズった。この時はメンバーから1万5000円ほどカンパを集めてなんとか乗り切りました」
──ほかにも”ジリ貧エピソード”はありますか。
「いくらバズっても、YouTubeの収益が振り込まれるのって翌月なんですね。『心霊スポット1週間生活』がバズってすぐ、また別の心スポ動画を撮ろうと動いたんですが、大変でしたね。福島で撮影したのですが、1人1泊2000〜3000円みたいな民泊を3名分で予約して、終盤は具のないおにぎり食って過ごしていました。撮影が終わった時はマジで財布が空でしたね。
その年の秋ぐらいにバズった動画の収益が200万〜300万円くらい入りました。次にバズったのが『無人島生活』なんですが、この時の予算が大体200万〜300万。この時は経費が急増して親とか、当時付き合っていた彼女からも借金しました。僕らも場合によっては撮影や準備期間も多いから、とにかく”自転車操業”でしたね……」