【独自】鹿児島県警で捜査書類の紛失多発 2023年に内部文書に記載、処分はゼロ

鹿児島県警で2023年10月ごろ、事件捜査の情報が記載された捜査書類の紛失や誤廃棄が多発していたことが分かった。県警作成の内部文書に記されていた。書類紛失により事件関係者の個人情報などが外部に流出する恐れがあるため、該当者は処分対象になるとみられるが、県警監察課は本紙取材に、同文書が作成された時期に書類の不適正管理を理由にした処分者はゼロと認めた。記者発表や県議会への説明もなく、あらためて不祥事案の説明責任が問われそうだ。■捜査書類の紛失・誤廃棄が「多発」「急増中」と書かれた鹿児島県警の内部文書【画像】問題の文書は、県警が捜査の留意点の周知などを目的に捜査担当課にメール配信した「刑事企画課だより」の「No20」(23年10月2日付)。国家公務員法(守秘義務)違反容疑で24年に逮捕・起訴された元県警生活安全部長が、外部の記者に郵送した告発資料に含まれていたものの写しを本紙が入手した。
捜査書類とは一般に、事件関係者や被害者、容疑者の供述調書や被害届などを指す。文書の1ページに「県内で捜査書類の紛失・誤廃棄が多発。急増中」と説明。「個人情報を含む捜査情報を記録したノートなどを、現場や立ち寄り先に置き忘れる事案も複数発生」ともあり、「紛失時に多くの個人情報が流出のおそれがあるため、現場に携行する記録用紙に大学ノートやメモ帳を使うのは大変危険」と呼びかけている。

 2ページには「再審や国賠請求等で廃棄せずに保管していた捜査書類が組織的にプラスになることはない」とし、不要な記録の速やかな廃棄を促す記述がある。これが本紙報道で発覚した24年には各地の再審弁護団から批判が出た。この記述は「No23」(23年11月21日付)で修正されたが、1ページの「紛失・誤廃棄が多発」は、そのまま残っている。
一方、本紙は懲戒や訓戒など処分台帳の情報開示を県警に請求。No20が出る前後の22~23年の台帳で、処分事由の欄に「捜査書類の紛失・誤廃棄」に当たる処分はなく、その事実を県警に示し確認を求めた。

 県警監察課は、紛失や誤廃棄の件数などについて「報道発表していない個別事案の詳細は、回答を控えたい」と説明。規律違反に対する処分について「事案の内容や影響などを個別具体的に検討し、必要に応じて厳正に対処してきた。現時点で流出情報が悪用された被害は確認されていない」とし、処分や事案公表がない今回の対応は「適正と認識している」と述べた。

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