民間の運動クラブに通う女児らにわいせつな行為をしたとして、福岡県内の指導者が不同意性交容疑などで相次いで逮捕、起訴された。事件で浮き彫りになっているのは、指導者としての優位な立場を悪用した手口。子供と接する仕事に就く人の性犯罪歴を照会できる「日本版DBS」の運用が年内に始まるが、学校だけでなく民間も含めた幅広い場所で性犯罪から子供を守る対策が急務となっている。(矢野裕作、石橋龍馬、相良悠奨)【写真】公共トイレ「日本は危険」、盗撮やわいせつから子ども守れ…小型カメラ捜す学生団体も
2024年11月から1年以上にわたった運動クラブ元指導者の男(60歳代)の公判が1月、結審を迎えようとしていた。「従順で未成熟な被害者の心理につけ込み、習い事の場を性的快楽を追求する空間にしていた」。検察側は論告でこう語気を強めた。
男は2018~24年、指導者を務める運動クラブで、教え子だった女児8人に性暴力を繰り返し、その様子を撮影したなどとして、同罪などで11回にわたり起訴された。公判で起訴事実をすべて認めている。
検察側の冒頭陳述によると、男は目隠しをしてトレーニングする際に教え子にわいせつ行為に及び始めたという。「(被告は)厳しかったが子供に寄り添う面もあり、信頼していたのに、絶対的な立場を利用した」「何も知らない子供にこんなことをするなんて。成長して被害の意味を知り悪影響を及ぼすのでは」。公判では被害女児の保護者の意見陳述書も朗読された。
検察側は1月の公判で有期刑の上限である懲役30年を求刑。弁護側は再犯防止に向けた取り組みを行っているなどとして懲役15年が相当と訴えた。男は最終意見陳述で「何も言い訳できない」などと述べ、うつむいた。判決は今月26日に言い渡される予定。
「応じないと指導せんぞ」。捜査関係者によると、不同意性交や不同意わいせつ容疑で逮捕、起訴された福岡県内の別のスポーツクラブで指導者だった男(30歳代、公判中)はこう言って教え子の少女らにわいせつ行為を繰り返していたという。少女らは県警に対し、「拒否したら大会に出られないかもしれないと思った」などと打ち明けていた。