織田裕二さん、連続ドラマ「北方謙三 水滸伝」原作者と対談 「怒り」が消えた今、意味を持つ大作

北方謙三さんの大河小説「水滸伝」シリーズ(集英社文庫)が連続ドラマ化され、WOWOW、WOWOWオンデマンド、Leminoで2月15日から放送・配信が始まります。舞台は12世紀の中国・北宋。腐敗がはびこり、真実が押しつぶされる世の中で、ひとりの男・宋江(そうこう)が立ち上がる――。壮大なスケールと緻密な人物描写で、累計1160万部のベストセラーとなった本作の主人公を演じるのは織田裕二さん。織田さんと原作者の北方さんに、令和の世の中に改めて「水滸伝」を発信する意義について聞きました。【写真】織田裕二さん・北方謙三さんインタビューカットはこちら
腐敗がはびこる世に、正義を信じる一人の下級役人が立ち上がった。その名は宋江(そうこう)。彼が記した“世直し”の書「替天行道」は、時代に抗う者たちの心を震わせる。裏社会に生きる者、軍を追われた者、すべてを捨てた者たちが、旗のもとに集結。戦う理由は違えども、志はひとつ。信じる者のため、旗のもとに集結した108人が、国家という巨大な敵に挑む! これは、理不尽な世を変えようとする者たちの、命を懸けた“叛逆(はんぎゃく)”の物語。
――超大作「水滸伝」のドラマ化にあたり、主人公・宋江の役が織田裕二さんに決まった時、北方さんはどんな感想を持ちましたか。

北方:織田さんの「踊る大捜査線」を観てきましたので、「あんなふうに暴れるのかな?」と(笑)。宋江は、ずっと沈思黙考なので、いったい織田さんがどんな宋江をおやりになるのか……。

織田:幼い頃、同じく中国の名著と呼ばれる「西遊記」を漫画で読んでいましたが、「水滸伝」は読んでいませんでした。これまでの僕の役柄と言えば、前線で戦うことが多かったので、精神的支柱のような存在である宋江を僕が演じることになったのは少々意外にも思いました。ただ「僕もそんな役が回ってくる年齢になったのかも」という感慨も覚えます。また新たな戦いに挑むことになるのだ、と捉えています。

北方:この作品で宋江は、国という「存在」と戦っているのです。それをとても強く感じています。

織田:なにしろ敵が大きすぎますよね。相手は「国」ですから。それも「中国」という、とてつもなく巨大な国。最初はごくわずかな人数から戦いを始めていくのですが、「それで本当に国を倒せるの?」と不安になります。

北方:キューバ革命も最初は十数人で上陸し、ジャングルの中に住んで、 最終的にはアメリカを倒しましたから。

織田:宋江は国の腐敗で民が苦しむ姿に義憤を募らせ、「替天行道」という“世直し”の書だけで人を集め、晁蓋(反町隆史)や林冲(亀梨和也)、魯智深(金児憲史)らと、革命の旗を掲げることになるのです。ただ宋江は、謎の多い役柄です。味方の人物をどんどん増やしていくのですが、いったいどうやってこんな多くのスパイを囲ったのだろう。なかには命を落としてしまう人物もいますが、その家族を養っていったりもします。そんな宋江の財源は、いったいどこにあるのだろうと気になる部分ではありますね。

北方:財源? それは、「志」ですよ、「志」。

織田:「志」か……、それは一番高くつく奴ですね。

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