みずほ証券(東京)の男性社員が業務で知った未公表情報を基にインサイダー取引に関与した疑いがあるとして、証券取引等監視委員会が1月下旬、同社本社など社員の関係先を金融商品取引法違反容疑で強制調査していたことが関係者の話でわかった。監視委は検察当局への刑事告発を視野に、取引の全容解明を進める。
関係者によると、男性社員は、株式などによる顧客企業の資金調達を支援したり、合併・買収(M&A)や株式上場への助言を行ったりする投資銀行部門に所属。業務を通じて入手した未公表の企業情報を使い、不正な取引に関わった疑いがあるという。
みずほ証券は16日、「監視委からの調査が行われていることは事実だが、調査が進行中のため、コメントは差し控える。調査に全面的に協力する」とのコメントを発表した。
金商法は、未公表の重要事実を基に自身で株取引する行為のほか、重要事実を他人に伝える「情報伝達」や、重要事実を伝えずに株の売買を勧める「取引推奨」をインサイダー取引として規制している。
近年、金融業界関係者によるインサイダー取引への関与が相次いで明らかになっている。2024年には、金融庁出向中の裁判官や東証社員、三井住友信託銀行社員による不正が発覚。先月には、契約先企業による株式公開買い付け(TOB)の未公表情報を基に不正取引を行ったとして、三田証券の元取締役が東京地検特捜部に逮捕された。