【飯塚事件】「審理を尽くしたと言えるか」弁護団は特別抗告の方針 福岡高検「結論は妥当」福岡高裁は元死刑囚の再審を認めない決定

1992年2月、福岡県飯塚市で女児2人が殺害されたいわゆる「飯塚事件」です。殺人の罪で死刑が執行された、元死刑囚の第2次再審請求=裁判のやり直しについて、福岡高裁は16日、再審開始を認めない決定を出しました。【画像】再審の行方を左右する「証拠開示」を考える 法律に規定なく「裁判官の裁量」えん罪被害を繰り返さないために「裁判のやり直しを認めない」とする福岡高裁の決定を受けて、弁護団は。

■弁護団・岩田務弁護士
「審理を尽くすことなく、弁護人らの請求を棄却したものである。」

事件が起きたのは、1992年2月。福岡県飯塚市の小学校に登校していた女の子2人が誘拐、殺害され、山中で遺体で見つかりました。

この事件で警察は久間三千年(くま・みちとし)元死刑囚を逮捕し、殺人などの罪に問われた久間元死刑囚の死刑が確定。2008年10月に死刑が執行されました。

■富永大介記者
「死刑が執行されて1年目の命日となるきょう、弁護団は裁判のやり直しを求めて福岡地裁に入ります。」

久間氏の妻は2009年10月に再審=裁判のやり直しを申し立てますが、2021年4月、最終的に最高裁で棄却されました。

その年に2回目の再審請求が行われ、弁護団は「無罪を言い渡すべき新たな証拠」として、男女2人の新証言を裁判所に提出しました。

証言の一つは事件当日、被害者が通う小学校の近くで、被害者に似た2人を乗せた軽自動車を目撃したという男性の証言でした。男性は、運転していたのは丸刈りの30代から40代の男で、久間氏とは髪形も年齢も違うと述べました。

もう一つは、事件当日に被害者を通学路で最後に目撃したとされた女性の新たな証言です。女性は、当時、警察が作成した供述調書に書かれたことは自分の記憶と違うと供述内容を覆したのです。

■弁護団・德田靖之弁護士
「自分は事件があった日に子どもたちを見たのではない。それをその日に見たという供述調書にさせられてしまったという趣旨の証言をされたわけです。この証言通りだということになると、何が起こるかというと、誘拐場所がどこだったのかということが特定できなくなる。」

第2次再審請求では、この2つの証言の信用性が争われました。

そして2月16日、福岡高裁はおととし6月に示された福岡地裁の判断を支持し、再審開始を認めない決定を出しました。

弁護団が新証拠とした2人の証言について、福岡高裁は。

『女性が話すような経緯で警察官が供述内容を作成したとは考えがたい。供述内容に変遷があり、2人の証言は信用できない』

福岡地裁の判断が不合理とは言えないと理由を述べました。

■德田弁護士
「真実を明らかにしていくことを回避する、そういう決定だったのではないかという感じがします。」

今回の審理で弁護団が重視したのが、2人が当初、警察に何を話したか、初期供述に関する証拠を検察側に提出させる「証拠開示」の手続きです。

これに対し、検察は裁判官だけに見せることを条件に「証拠の一覧表」となる書類目録などを開示しました。その結果、福岡高裁は「関連する証拠はない」として、弁護団が求めた証人尋問などにも応じませんでした。

開示された証拠を真相解明の手がかりにしたかった弁護団は、裁判所に「証拠開示」への積極的な姿勢を期待していましたが、結果的に証拠を見ることすらかないませんでした。

■德田弁護士
「改めて、書類目録以外に警察から検察庁に送られる書類があるはずだから、 それについても開示勧告を出してほしい(と言っても)、ありとあらゆることを一切しない。死刑判決が正しかったかどうかを問うている再審請求において、裁判所が審理を尽くしたと言えるか。」

今回の決定について、福岡高検は高裁決定の結論は妥当とするコメントを出しました。

弁護団は決定を不服として、最高裁判所に特別抗告する方針です。

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