「占領地のウクライナの子どもを『ロシア人』として再教育しているのか?」と尋ねると…ロシアメディア幹部の“意外な答え”

〈「彼女の体には拷問の痕があり、DNA鑑定でようやく…」潜入した女性記者が死亡、ロシアが支配するウクライナ“占領地”の実態〉 から続く【画像】占領地の子どもたちの加入も進んでいるという青少年愛国組織「ユナルミヤ」(Youth Army)。ロシア国防省の主導で作られたロシアによる軍事侵攻からまもなく4年。ロシアが占領したウクライナの街で一体何が起きているのか? NHKスペシャル「 臨界世界 戦慄の占領地 “ロシア化”の実態 」(1月25日夜9時放送)。海外メディアが入ることすら困難な支配地域の、知られざる現実が見えてきた。(寄稿:NHK木村和穂、NHK松宮健一/全2回の2回目、 前編 を読む)

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ウクライナ側からの取材が無理なら、残された道はロシア側からしかない。しかし、どうやるか。

 私たちNHK取材班が占領地に入るという選択肢は、早々に諦めざるを得なかった。取材意図をすべて伝えた場合、ロシア外務省から取材許可証が出る可能性はかなり低いし、もし申請内容と実際の取材内容にズレがあることが発覚すれば、スパイとして拘束される可能性もある。また、仮にロシア側から許可が出たとしても、ロシア政府に「取材許可」を求めるという行為自体、ロシアの占領にお墨付きを与えかねない行為であり、ウクライナ政府から抗議をうける可能性もある。

 突破口を求めて様々な関係者にあたるなか、BBCやCNNなど西側のメディアのロシア取材を何度も支援してきたあるロシア人のプロデューサーのアドバイスがヒントとなった。

「いまロシアで何かをやろうと思うなら、可能な限りオフィシャルな方法でやる必要がある。裏道は存在しない。すべてFSB(ロシア連邦保安庁)に筒抜けになる」

 つまり、すべて政府に許可を取り、正面ルートで取材をするしか方法はないというのだ。仮に政府の許可を取らず、秘密裏に現地のロシア人と組んで取材を行った場合、もし発覚すればそのロシア人は「外国勢力との共謀」と認定されて逮捕される。ロシア人たちはそのリスクを理解しているため、政府のお墨付きがない仕事はそもそも受けないというのだ。

「これは金の問題ではく、命の問題だ。ロシア政府を甘く見ない方がよい、彼らは本気だ」

 私たちはアドバイスに従うことにした。

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