「神に感謝する」無実の罪で20年服役、本当の犯人は…? 「11歳少女の強姦殺人」を疑われた19歳青年の『その後の人生』(海外の事件・平成4年)

〈「僕が刺した」11歳少女を強姦殺人したと思いきや…警察の圧力で『凶悪殺人犯』にされた19歳青年の不幸【根拠は自白のみ…】(海外の事件・平成4年)〉 から続く【ー衝撃画像ー】「明るくて活発な少女がなぜ…?」殺された11歳少女、濡れ衣を着せられた19歳青年の「その後の姿」を見る【20年服役…】19歳で逮捕され、少女殺害事件の犯人として裁かれたフアン・リベラ。物的証拠がないまま有罪判決が下され、彼は約20年を刑務所で過ごすことになる。裁判は3度にわたり繰り返され、そのたびに「自白の信憑性」と「DNA鑑定」をめぐる攻防が続いた。

 やがて科学技術の進歩が、判決を覆す決定的な事実を突きつける。なぜ無実の青年は長年自由を奪われたのか? 新刊『 世界で起きた恐怖の冤罪ミステリー35 』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/ 最初から読む )

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リベラの裁判は、司法史上稀に見る長期戦となった。初回裁判は1993年11月にレイク郡裁判所で始まり、検察は自白の信憑性を強調。弁護側は精神疾患と警察の自白強要を訴えたが、陪審員は有罪を宣告し終身刑が下される。

 しかし、1996年の控訴審は裁判所のミス(伝聞証拠の許可や弁護側の陳述制限)を認め一審判決を破棄。1998年、2回目の裁判が開かれ、検察は新証人として、当時8歳のテイラーを証言台に立たせる。彼女は「フアンがホリーを襲った」と証言した。が、事件当時は2歳で、記憶の信憑性が疑問視され、陪審員は第1級殺人では無罪としたが、他の殺人罪で有罪を評決。2001年の控訴審もこれを維持した。

 3回目の裁判は2009年4月。DNA技術の進歩で、リベラのDNAがホリーの体内の精液と一致しないことが明らかになった。

 しかし検察は「DNAが汚染されている可能性あり」と主張。陪審員は再び有罪を評決し、改めて終身刑が下される。結局、リベラは都合20年近く刑務所に服役。この間、彼の精神はさらに悪化し、獄中で何度も自殺を図った。
リベラの冤罪が晴れるのは2011年12月。弁護側の訴えに対し、控訴裁判所は3度目の判決を破棄し「自白に新しい正確な情報がなく、検察のDNA汚染理論は非現実的」と厳しく批判。双重危険(二重処罰)条項により、再審を禁じ、2012年1月6日にリベラに無罪を言い渡し釈放する。レイク郡検事が上訴を断念したことで正式に無罪が確定。リベラは「神に感謝する」と涙ながらに語った。

 釈放後、リベラは民事訴訟を起こし、2015年にレイク郡から1千500万ドル(当時の日本円で約17億7千万円)の賠償金を得た。訴訟では、警察が証拠を捏造した疑いが浮上。2014年、リベラの靴からホリーの血痕と、現場精液と同じDNAが検出されたが、靴は事件後の購入品で、検察による証拠改ざんの可能性が高いとされた。

 リベラは現在、家族と静かに暮らし、自身の受けた冤罪被害を講演で語っている。一方、被害者ホリーの母キャロルは、娘の死を機に被害者支援団体を設立。また、イリノイ州では、2000年代にDNA法を強化し、性犯罪者の登録を義務化したが、本事件の真犯人は未だ特定されていない。

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