【テヘラン=吉形祐司】イランの反体制派による抗議デモを巡り、地元タスニム通信は16日、これまで全国で3000人が逮捕されたと報じた。政権は「暴動に積極的に関与したテロリスト」としている。実際にはさらに多い可能性があり、人権団体は2万人超が逮捕されたとしている。
同通信によると、治安当局は反体制デモに直接的に関与した組織や個人を摘発の主な対象にしているという。ファルス通信は16日、王政時代の元皇太子の側近と連携していた反体制デモの主導者の女性が逮捕されたと報じた。
政権は、米国やイスラエルの影響を受けた人が、経済悪化に対する抗議デモを「暴動」に変えたと主張。国民や国際社会の関心を弾圧から治安維持に向けようとしている。
一方、米国拠点の人権団体のニュースサイト「HRANA」は16日までの集計として、2万2123人が逮捕されたと伝えた。死者は3090人に上るとし、さらに3882人の死亡情報を確認中だという。
【ワシントン=池田慶太】米国のトランプ大統領は16日、イラン政府に対する抗議デモ参加者の絞首刑が中止されたとして、イラン指導部に「敬意を表する」とSNSに投稿した。イランへの軍事攻撃を示唆していたが、態度を軟化させた。
トランプ氏は「予定されていた800人以上に対する絞首刑がイラン指導部によって中止された事実に敬意を表する。ありがとう」と投稿した。ただ、米メディアは、南シナ海に展開していた米原子力空母が中東に向かっていると報じており、軍事攻撃の選択肢を残している可能性がある。
一方、ロシア大統領府によると、プーチン露大統領は16日、イランのマスード・ペゼシュキアン大統領、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と電話会談した。ロシアの存在感を示す狙いとみられる。
イラン側とはイランと周辺地域での緊張緩和と、政治的・外交的手段による問題解決を図ることで一致。ネタニヤフ氏との会談では、地域の安定と安全のためロシアが仲介努力を続けると表明した。