イランで「情報鎖国」…国外からの情報を阻止、国内メディアは「反革命集会は失敗」と報じる

イランで経済悪化に抗議するデモと治安部隊の衝突が続く中、インターネットや電話が8日に遮断され、国外と連絡がとれなくなっている。イラン当局にとっては、イスラム革命体制の転覆を目指して国外の反体制派が流す情報を阻止するのが狙いだ。「情報鎖国」ともいえる措置で言論統制が一段と進んでいる。(テヘラン 吉形祐司)
「独裁者に死を」「国王万歳」――。8日午後8時、各地で反体制スローガンが叫ばれた。1979年のイスラム革命が打倒したパーレビ王朝時代の元皇太子レザ・パーレビ氏(65)が6日、国外からSNSで呼びかけた一斉行動だ。
首都テヘラン北部の本紙支局周辺では、若者が集まるレストランや路上、マンションのバルコニーなどからスローガンが聞こえ、車が激しくクラクションを鳴らすなど騒然とした。
テヘラン南部では8日夜、商店が放火され、周囲は煙が立ちこめた。外国人記者が現場を取材すれば逮捕・拘束される可能性があり、本紙は住民にデモの撮影を依頼した。この住民は「参加者はほとんどが若者だ。警察署も襲撃されそうになった」と話した。
SNSには「最後の闘いだ。パーレビ王朝が復活する」などと叫ぶデモや集会の動画が次々と投稿された。一方、イランのメディアは平穏な街の動画を投稿し、「反革命集会は失敗に終わった」と伝えた。
正反対の情報が駆け巡る中、ネットは8日午後10時過ぎに遮断された。電話も不通となり、国内外との連絡がとれなくなった。国内電話は9日以降、昼間は復旧し、抗議デモが再開する夜間は切断されるパターンが続いている。国際電話は通じないままだ。
イラン国内では、主要メディアのニュースサイトなどにはつながり、国営テレビは公共施設や宗教施設などが襲撃される模様を「暴動」として報道。政権支持を訴える大規模デモの様子も放送された。イラン国内の映像や情報は、8日夜を境に画一化された。
治安当局は、抗議デモに関して、敵国イスラエルへの協力者や体制転覆を狙う国外勢力の扇動によるものと主張し、国外からの影響を警戒してきた。国外との通信遮断は、不利な情報を排除する情報統制の一環とみられる。

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