「女の仕事じゃない」警察官だった父に反対されたが事件捜査がしたかった…第一線に立ち続け刑事管理官に

「男社会」のイメージが強い警察組織で、捜査の第一線に立ち続けてきた女性がいる。昨春、福岡県警では女性初の刑事管理官となった南署の森壽(ひさ)警視(53)。これまでのキャリアや事件捜査にかける思いを聞いた。(森陸)【写真】長崎県警で女性初の警察署副署長「モデルケースの一つを示すことで女性警察官を勇気づけられたら」
――警察官を志したきっかけは。
「佐賀県警の警察官だった父の影響が大きい。幼稚園の頃から警察官になるのが夢で、テレビドラマ『あぶない刑事』に夢中になり、『(ヒロインの)真山薫ちゃんになる』が口癖だった」
「1993年に佐賀県警の採用試験を受けようとしたが、『女の仕事じゃない』と父から猛反対された。佐賀県警の行政職員の試験に合格したが諦められず、こっそり福岡県警に願書を出した」
――警察学校に入った94年は男女共学化の初年度だった。
「以前は、採用試験や警察学校で学ぶ内容は男女で異なっていた。女性警察官は婦人警察官と呼ばれ、交通課での勤務が多かった。事件捜査がしたかった私にとって、男女共学化の1期生になれたのは幸運だった」
「96年3月に保安課(現在の薬物銃器対策課)に配属され、福岡県警の保安課では初の女性捜査員になった。その後、南署や博多署の刑事1課で経験を積み、2004年に捜査1課に配属された」
――印象に残っている出来事は。
「ある署にいた頃、性犯罪に関する通報を受け、被害に遭った女性宅に駆けつけた。だが、男性警察官が何度呼びかけても女性は鍵を開けてくれなかった。私がドア越しに『もう安心ですよ』と声をかけると、女性はドアを開け、泣きながら胸に飛び込んできた。この時、『これが私の仕事なんだ』と強く感じたのを覚えている。捜査1課には約10年(うち約5年は産休・育休などで休職)いたが、一貫して性犯罪捜査を担当した」
「被害者にとって事件の記憶は何年たっても風化しない。容疑者を逮捕し、解決後も相談に乗るなど関わり続け、少しでも前を向き、元の生活に近づけるのが私の仕事。結婚や出産などうれしい報告をしてくれる人もおり、やりがいを感じる」

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