毎週水曜夜9時より放送中のドラマ『相棒 season24』(テレビ朝日系)。国民的人気を誇るご長寿刑事ドラマの“黄金コンビ”が1年ぶりに帰ってきた! 杉下右京(水谷豊)×亀山薫(寺脇康文)が、共に事件を追う。さっそく、第10話の内容を振り返っていこう。(文・Naoki)【写真】杉下右京×亀山薫コンビが最強…貴重な未公開カットはこちら。ドラマ『相棒season24』第10話劇中カット一覧
甲斐峯秋「特命係は二人でこそ」
『相棒 season24』第10話「フィナーレ」は元日スペシャルにふさわしい豪華さと『相棒』らしさが凝縮された記憶に残る傑作回だった。
脚本は神森万里江、監督は内片輝と、昨年の元日スペシャルと同一布陣であり、その安定感は盤石だ。神森氏が『相棒』のスペシャル回を担当するのは今回で5回目。
S18「ブラックアウト」やS23「最後の一日」など、いずれも評価の高いエピソードを生み出してきた脚本家であり、長編構成においてはシリーズ屈指の完成度を誇る存在と言っていい。
内片監督も、ワンカットの長回しやスローを効果的に使った演出など、『相棒』らしさを継承しながらも進化を感じさせる演出を見せた。
物語は小説家の美作(段田安則)のもとに届いた脅迫状をきっかけに、特命係が絶海の孤島「聖島」へ向かうところから始まる。
島では美作のマネージャー・相模舞(月城かなと)が殺害され、さらに警察庁長官官房付・警視監である甲斐峯秋(石坂浩二)が毒物を飲まされ、動画配信者・八木沢(須藤公一)も命を落とすという連続殺人事件が発生する。
そんな今回の見所は3つ。
1つ目は推理小説さながらの本格ミステリーだ。
曰く付きの絶海の孤島、爆破された船、悪天候でヘリも飛ばせない状況。外部と遮断されたホテルという密室空間で、不気味な人形の首が一つずつ落ちていく殺人予告――。
密室殺人、料理をランダムに配った中で甲斐峯秋だけが毒を飲まされる謎、そして小説になぞらえて命を落としていく被害者たち。
ここまで王道のミステリー構造が徹底されたエピソードは、『相棒』の中でも決して多くない。
さらに今回は、鑑識を呼ぶこともできず、限られた情報の中で推理を組み立てなければならない点が、緊張感を一層高めていた。
犯人を自称する増本(森優作)に「トリックを見破ってから疑ってください。和製ホームズさん!」と煽られた際、言葉では返さず、目だけで怒りを表現する杉下右京の姿も印象的だ。
そこから一気に捜査に没頭していく姿は、負けず嫌いな右京らしさが全開だった。
また、密室トリック解明の場面で流れるのが、同じく絶海の孤島を舞台にした劇場版ⅢのBGMアレンジである点も、ファン心をくすぐる演出だ。