【解説】ベネズエラ攻撃 アメリカの思惑は…石油権益掌握も

アメリカのトランプ大統領は4日、ベネズエラへの再攻撃にも言及して圧力を強めています。日本テレビの山崎大輔ワシントン支局長が解説します。【画像】ベネズエラ暫定大統領、米政府と協力する姿勢示す
――トランプ大統領はなぜ軍事作戦に踏み切ったのでしょうか。

トランプ氏の最大の狙いは北米・南米大陸など西半球をアメリカの支配下に置くことです。特にベネズエラは、世界最大の石油埋蔵量を誇っており、トランプ氏は石油権益を掌握することへの野心を隠していません。麻薬対策を名目としていますが、ベネズエラから中国やロシアなどの影響力を排除し、アメリカに友好的な政権をつくりたい考えです。
アメリカ企業にベネズエラの石油のインフラを修復させ、石油利権を確保することを新たな大統領を選ぶ選挙よりも優先する考えを示しています。

また、反米政権のキューバを弱体化させることも狙っています。トランプ氏は「ベネズエラの石油に依存していたキューバは崩壊寸前だ」と語っています。

もう一つの目的は、国内の支持率回復です。物価高への不満から政権の支持率は低迷しています。秋に行われる中間選挙に向けて、アメリカ国内の治安回復をアピールするとともに物価高問題から国民の目をそらす狙いもあります。
――アメリカ国内の反応は?

大きく2つの点で批判が出ています。1つは、軍事作戦は国際法違反にあたるという批判です。
トランプ政権は、マドゥロ大統領の拘束は麻薬の罪での逮捕で軍事侵攻ではないと主張しています。しかし、ベネズエラでアメリカ軍が軍事作戦を行い大統領を拘束したことに国際法違反との指摘が出ているほか、事前に議会の承認を得ていなかったことに野党・民主党から批判が相次いでいます。今回、アメリカが国際法を無視するかのように軍事作戦に踏み切ったことで、中国やロシアに台湾やウクライナ侵攻を正当化することに利用されるとの批判も出ています。
2つめは、ベネズエラの政権移行について明確な計画を示せていないことへの批判です。誰が次の政権を担うのかも明らかになっていない状況に、アメリカメディアからも「なぜマドゥロ大統領を失脚させる前に計画が準備されていなかったのか」と疑問の声があがっています。トランプ氏は暫定大統領のロドリゲス副大統領にアメリカに従うよう圧力をかけていますが先行きは不透明で、ベネズエラへの介入が長期化すれば、中間選挙の結果を左右することになりそうです。

――ちなみにノーベル平和賞を受賞したマチャド氏をトランプ氏が次の指導者に選ばなかったのは、どうしてなんでしょうか?
トランプ氏はマチャド氏について、国民の支持が十分ではないとして否定的な考えを示していますが、その理由について、ワシントンポストは関係者の話として「トランプ氏が切望しているノーベル平和賞をマチャド氏が受賞すると決めたからだ」「もしマチャド氏が受賞を拒否していたら、彼女は今ごろ、ベネズエラの大統領になっていただろう」と伝えています。

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