「将来のために貯めていこうと思っていたお金だったので、とられてしまってとても悔しい」。悔しさをにじませたのは、名古屋市北区に住む20代の会社員の男性です。男性は2025年6月、詐欺の被害に遭い、80万円以上をだまし取られました。その手口を明らかにしてくれました。
ある日、男性のスマートフォンに下4桁が「0110」の番号から電話がかかってきました。男性が電話に出ると次のように言われました。
「愛知県警です。警視庁が捜査している詐欺事件に、あなたが関与している可能性があります」
男性は最初、ニセの警察官ではないかと疑いました。しかし…ある言葉で信じてしまったと言います。
20代男性:
「私の住所と名前を相手が詳しく知っていたので、本物だと思ってしまった」
捜査の内容については秘匿義務があると言われたため、周りの人に相談できず男性は電話を続けました。続いて電話口に出た警視庁の警察官を名乗る男に、顔を確認するためとSNSのLINEでのビデオ通話に誘導されました。
男は警察官の制服のようなものを着ていて、ニセの警察手帳を見せてきたといいます。またLINEを通して逮捕状などのニセの捜査資料が送られてきて、不安をあおられました。
さらに捜査の必要があるとして、今度は検察官を名乗る男とビデオ通話がつながりました。事件に関わっていないことを証明するために口座の金を調べる必要があるなどと言われ、男性は指定された口座に約80万円を振り込んでしまいました。
20代男性:
「早く身の潔白を当日中に(証明)したかった」
その直後、やりとりしていた相手と連絡が取れなくなり、詐欺だと気付きました。
今、警察官をかたる「ニセ警察詐欺」が急増しています。愛知県警は2025年11月末時点で2024年の同じ時期より545件多い724件を認知。被害総額は約52億6000万円と特殊詐欺の被害総額全体の3分の2にのぼります。
これを受けて警察は、まずは犯人と話さないことが大切だとして特殊詐欺で多く使われる国際電話には出ないよう呼びかけています。
愛知県警 生活安全部 田中真人警部補:
「警察が捜査等の名目で金銭を要求することはない。金銭の要求があった場合はすぐに最寄りの警察署に相談してほしい」