去年、関東で相次いで起きた強盗事件の首謀者とみられる4人が逮捕された事件について、社会部・警視庁担当の安食怜央記者に以下の2つのポイントで聞いていきます。【画像】“トクリュウ”リーダー格の男2人逮捕 強盗未遂などの疑い 警視庁1.デジタルとアナログの捜査
2.異例の“トップ”会見、今後は
――まず、「デジタルとアナログの捜査」ということですが、どういったことでしょうか?
まず今回4人の逮捕にあたり、これという決め手はありませんでした。そもそも、確たる証拠があれば、捜査幹部ももっと早く逮捕できていたはずだと話しています。その中で、どう証拠をそろえたかといえば、「デジタル捜査」と「アナログ捜査」を組み合わせたことでした。
まず、「デジタル」についてです。
首謀者は実行役とのやりとりに、もともとは軍事用に開発された秘匿性が高い通信アプリ「シグナル」を使用していました。これはメッセージが自動的に消えるなど、証拠が残らないのが特徴です。
捜査本部は750台ものスマホを解析して、一部の復元に成功しました。ただ、復元しただけでは誰がこのアカウントを使ったのか、という特定は困難でした。
このとき、首謀者たちは、アメリカの電話番号などを使う工作をしていて、そういった部分でも捜査は難しいものでした。
――ここにアナログの捜査を加えて、逮捕につなげたということなのでしょうか?
そうなんです。捜査本部は、デジタルな部分と並行して、地道なアナログ捜査を展開しました。
捜査のため回収した防犯カメラはおよそ720個。徹底して、現金などの流れを捜査して、複数の人物を経由して、首謀者に近い人物に渡っていることを明らかにしました。
さらに、実行役の取り調べの中で、指示を受けた際に「どんな音楽が聞こえたか」や「話し声が聞こえたか」といった環境音も捜査しました。
こうしたことで、「指示役がここから電話をかけたとしても矛盾がない」という証拠を積み重ね逮捕に至りました。
――続いて2つ目のポイント「異例の“トップ”会見、今後は」です。今回、捜査本部のトップが会見したというのは異例のことなのでしょうか。
それだけこの捜査に力を入れていたことの表れかと思います。警視庁の刑事部長が会見するのは、オウム真理教を巡る事件のとき以来ですので、事件の大きさが分かるかと思います。
――今後の捜査はどうなっていくのでしょうか。
一連の事件は18もの事件ですから、4人を逮捕しても捜査はいわばスタートラインかと思います。捜査本部は、残る17事件にも4人が関わっているとみて調べる方針です。