福添忠義被告「被告は何もしていない」 串間市の「共犯」元会社役員が突然の謝罪【宮崎・串間 官製談合だったのか①】

5月21日、宮崎地裁。短く刈り込んだ白髪に、紺色のジャケット姿の男性が証言台に立った。■業者間談合と結びつけられ…3度逮捕された副市長「言い分まったく聞いてくれない」
宮崎県串間市の元会社役員の男性(75)。市の新消防庁舎設計業務の指名競争入札を巡って、官製談合防止法違反などの罪に問われ、起訴内容を認めて有罪判決が確定した人物だ。この日は共犯の元副市長、福添忠義被告(82)の公判に検察側証人として出廷。福添被告が一貫して無罪を主張する中、男性は検察側立証のキーマンだった。
検察側は、被告が久米設計(東京)に業務を落札させようと考え、男性を通じて「談合に応じることが期待できる業者リスト」の作成を同社に指示。そのリスト通りに指名業者案を作成したとみる。
この日の検察側主尋問で犯行に至る経緯や動機を淡々と説明していた男性は、最後に被告への思いを聞かれて唐突にこう答えた。「私の気持ちでは(被告は)何もしていない。申し訳ないです」
なぜ謝罪したのか-。翌月、男性に会うため串間市に向かった。「俺の勘違いだったのかね、と思うようになったのよ」と事件を振り返り始めた。
男性は経営していた会社の関係で中央官庁や国会議員秘書にパイプがあり、当時の市長に頼まれて国への陳情にたびたび自費で同行した。「事業で成功したから、市の発展のために頑張りたいと考えちょった」
2019年に市職員と上京した際、総務省の審議官から「防災拠点構想というものがあり、3千億円の予算がある」と聞いた。市長に報告すると、市は国の補助金獲得に向けて動き始めたという。
20年6月25日、旧知の国会議員秘書から「市に協力してくれる」と紹介された久米設計の九州支社長を市長と被告に引き合わせたところ、支社長はその場で「(補助金獲得に)無償(ただ)でお手伝いさせてもらいます」と発言した。
「資料の作成には何百万円もかかったやろうから、恩返しをせねばならんと思った。それが業界の常識。一心同体でやってきた福添さんも当然、同じ考えだと思っていた」

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