警察官などをかたる手口の特殊詐欺が和歌山県内で急増している。県警によると、今年10月末時点の被害額が昨年1年間の約2・4倍となっており、細心の注意が必要だ。(古賀愛子)
紀の川市の40歳代女性は10月、北海道警の「サヤマ」と名乗る人物からビデオ通話で、警察手帳や逮捕状のようなものを見せられた。「あなたに逮捕状が出ている。国家機密の事件であるため絶対に他人に話してはいけない」と言われた。
その後、「検事と話せるよう手配した。資金を調査して無実を証明してほしい」などと電話で告げられた。検事と称する人物から指定口座に金を振り込むよう求められ、女性は3回にわたって計362万円を振り込んだ。
県警によると、警察官などをかたる手口による被害は今年1~10月に62件あった。被害額は計約6億7500万円に上った。昨年1年間の26件、約2億7800万円を大きく上回っている。被害者の世代も幅広い。
「潔白の証明」や「資金調査」として、金を振り込ませようとするのが特徴だ。突然、容疑者扱いされることで判断力が低下し、逮捕状のようなものなどを示され、相手を信じてしまう危険性がある。
県警生活安全企画課の川端宏季次席は「こうした電話があったら、どこの都道府県警か、どこの警察署かを聞いて、いったん切ってほしい」と話す。警察署などの電話番号を調べて問い合わせれば、詐欺を見破れる可能性が高いからだ。また、心当たりがない場合は、「+」から始まる国際電話に出ないことも肝要だ。
この手口が全体を押し上げ、今年1~10月の特殊詐欺などの被害総額は、昨年1年間を約2億5300万円上回る約18億7100万円となっている。
県警は、24時間対応の相談ダイヤル(0120・508=これは=・878=わなや=)を開設しており、活用を呼びかけている。