オーストラリアで12月から、国家レベルで若者のSNS利用を規制するという世界初の施策が始まります。賛否が渦巻き、規制の実効性には疑問の声が上がります。同様の規制は他国でも検討中。一人ひとりがSNSとの付き合い方を考える必要がありそうです。【動画をみる】世界初 オーストラリアで16歳未満“SNS禁止”へ
アルバニージー首相(去年)
「SNSは子どもたちに害だ。これに終止符を打つ」
オーストラリアでは12月10日から、16歳未満の子どもがSNSを利用することを禁止する法律が施行されます。対象となるプラットフォームはX・Instagram・TikTok・YouTubeなどです。
シドニーで話を聞いた14歳の生徒は「(禁止は)賛成できない。SNSは欠かせないもの。朝起きたら真っ先にチェックします。スナップチャット、TikTok、全部」と言います。
オーストラリアではSNSの利用をめぐり、依存症やいじめ、有害コンテンツへのアクセスが社会問題になっています。国家レベルで若者のSNSの利用を規制する世界初の取り組みが、まもなく始まります。
法案成立のきっかけのひとつとなった事件がありました。
メルボルン郊外に住む、ウェイン・ホールズワースさんを訪ねました。「これは息子が使っていたスマホです」。17歳だった息子のマックさんが使っていたスマートフォンを、ウェインさんが見せてくれました。
2023年に撮影された写真の中でマックさんは、ウェインさんの隣で笑顔を見せていました。
ウェインさん
「休暇で家族旅行に行った時、息子が 『一緒に写真を撮ってほしい』と頼んできました。息子はすでに命を絶つ決意をしていたのだと思います」
この写真の撮影から約1か月後、マックさんは自ら命を絶ちました。きっかけは、SNSを通じて性的な脅迫を受けたことでした。
15歳だったマックさんが、18歳の女性を名乗る人物とSNSでやりとりをするうちに、裸の写真が送られてきたといいます。そしてマックさんも相手から求められ自身の裸の写真を送ると、電話がかかってきました。
ウェインさん
「息子はその女性だと思い、電話にでました。ところが電話をかけてきたのは別の州に住む男だったのです」
すると男はマックさんに対し、「(日本円で)約5万円を支払わなければ裸の写真を流出させる」と脅してきたといいます。マックさんはその金額を支払いましたが、さらなる支払いを要求されたことから、父親のウェインさんに相談しました。
ウェインさんは男に脅迫をやめるよう電話で説得しましたが、結局、男はマックさんの裸の写真を拡散したのです。
ウェインさんは「息子は内向的になり、引きこもるようになりました。誰とも話したがらず、外に出ないようになりました」と振り返ります。