毎週水曜夜9時より放送中のドラマ『相棒 season24』(テレビ朝日系)。国民的人気を誇るご長寿刑事ドラマの“黄金コンビ”が1年ぶりに帰ってきた! 杉下右京(水谷豊)×亀山薫(寺脇康文)が、共に事件を追う。さっそく、第4話の内容を振り返っていこう。(文・Naoki)【写真】右京、初の恋愛回!? 貴重な未公開カットはこちら。ドラマ『相棒season24』第4話劇中カット一覧
こてまり「大切なのは我慢強く愛し続ける事、何があっても受け止める事、彼女の全てを許し見返りを求めず…アナタの全てを捧げる事」
相棒season24 第4話「みんな彼女を好きになる」は25年を迎えたシリーズで初めて右京の恋愛をメインに描いた物語であった。
脚本家はS23で6年ぶりに『相棒』へ復帰した真野勝成。
歴代相棒やサブキャラクターをメインに据えて新たな一面を引き出す手腕に定評があり、前期は最終回の前後編も任されていた。
監督は古川豪で、こちらは『相棒』初登板となる。
橋本一監督が使いそうな監視カメラ越しのカットはもちろん、ラストでは、和泉聖治監督の十八番で今ではすっかり『相棒』名物となっているワンカット長回しを披露するなど、『相棒』を十分に研究しているのがよくわかる演出ぶりであった。
物語は右京と熊井エリザベス夫人(かたせ梨乃)が親しくなったところから始まる。
紅茶を嗜みディナーを共にして別れる健全なデートだったが、エリザベスに惚れている大企業社長の米村が右京に因縁をつけて乱闘騒ぎになる。
亀山や捜査一課、更に部長や参事官までがエリザベスとの関係を面白がる事に腹が立った右京は何故米村が自分を襲うに至ったのか、そしてエリザベスは何者なのか捜査を開始する。
見所は大きく2つ。
1つ目は女優のかたせ梨乃演じる熊井エリザベスの鮮やかさだ。
彼女の正体は詐欺師で、イギリスの貴族と協力してアフリカの支援と金の投資を促していたのだ。
相手をスピリチュアルに傾倒させると霊的存在を信じ込ませ、更に金で作った指輪をプレゼントするなど嘘の中にも真実を混ぜることで正体が露見しないようにしていた。
また更に彼女は純粋な魅力だけでなくコールドリーディングにも長けており、被害者であるセレブ達も喜んでお金を差し出し彼女に感謝までする始末である。
ただそれ以上にエリザベスについて特筆すべきは、彼女が右京達に対して作中で1度も嘘を付かなかった事だ。
彼女は、自らの詐欺行為がいずれ露見することを悟り、大企業の社長・米村に目をつけた。そして、彼を巧みに誘導し、心の底から惚れさせることに成功する。
しかし、エリザベスは米村の想いに応えることなく、あえて恋のライバルとして杉下右京を選ぶ。
自ら逮捕されることで、米村の愛情をいっそう強く燃え上がらせる――それが彼女の狙いだった。
結果、逮捕された後でさえ、彼女は米村を完全に虜にし、求婚されるまでに至ったのである。
つまり、逮捕され、罪を清算するその瞬間までもが、彼女の緻密な計画の一部だった。
米村はもちろんのこと、あの杉下右京でさえも、結局は彼女の掌の上で踊らされていたに過ぎない。
そして、驚くべきは――そのすべてを、一度も嘘をつかずにやり遂げたという事実だ。
そこには嫌悪感を超えた、むしろ清々しさや鮮やかさすら感じられる。
気づけば筆者である私自身も、熊井エリザベスという稀代の詐欺師に、心を奪われてしまっていた。