未解決事件の被害者や遺族には「終わりが見えない苦痛」がある…佐賀・福岡の有志が支え合う会設立

未解決事件に苦しむ福岡、佐賀の被害者や遺族が「佐賀福岡犯罪被害者有志の会(仮称)」を設立した。気持ちの整理がつかなかったり、犯人の影におびえながら生活したり、解決していないが故の悩みを共有し、支え合える場をつくる。一般社団法人化を目指して3日、寄付を募るクラウドファンディング(CF)を始めた。有志の会などによると、被害者や遺族の自助グループは各地にあるが、未解決事件に焦点を当てた組織は珍しいという。(岡林嵩介、相良悠奨)【写真】有志の会の4人が経験した未解決事件の概要
福岡市の僧侶、鈴木薫さん(66)は高校教諭だった2000年5月の夜、自宅マンション前で見知らぬ女に別人の名前を叫ばれながら左腕を刃物で切りつけられ、重傷を負った。
周囲からは「トラブルがあったのでは」と勘ぐられ、事件から約2年後に自律神経失調症を患い、半年間休職した。気晴らしに向かったはずの映画館では「誰がいるか分からない」と暗い館内に入ることができなかった。捜査は難航し、07年に傷害罪の時効(当時7年)を迎えた。
事件後、他の被害者遺族らとも交流してきた。再び誰かに襲われるかもしれないとの不安が残る中、事件が解決した被害者らの「前に進んだ方がいい」という励ましがかえって苦しみとなり、置いて行かれるような「壁」を感じることもあった。どうしようもない思いを共有し、寄り添い合える場所を作ろうと、被害者遺族の自助グループで知り合った事件が未解決なままの遺族3人に声を掛けた。
有志の会を設立した10月25日、福岡県久留米市のホテル一室に4人や臨床心理士、心理カウンセラーが集まった。4人が自身の事件をそれぞれ振り返り、終わりが見えない苦痛を語り合った。
11年に山梨県で発生したひき逃げ事件で三男を亡くした佐賀県小城市の平野るり子さん(72)は「犯人がのうのうと生きていると思うとはらわたが煮えくりかえる」と収まらない怒りをぶつけた。
「事件から30年以上、時が止まったまま」。同県北方町(現・武雄市)で1989年、女性3人の他殺体が見つかった北方事件で母を亡くした武雄市の60歳代女性はそう語る。容疑者は2002年に逮捕されたものの無罪となった。

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